結婚相談所でモデル・ＣＡとのお見合い-M'sブライダル・クイーン

コーラCMのモデル美女は（2004年）

五輪の「シンクロの女王」ビルジニー・デデュー

渋滞にはまったタクシーの中でイライラしているキャリアウーマンが、いきなり服を脱ぎ捨てて海に飛び込む。インパクトの強い清涼飲料のＣＭだ。ところで主役のきれいな女性はいったい誰？モデル？女優？いずれもブー。実はれっきとした五輪代表選手なんです。しかも日本のメダル有力種目に出場するライバルで、肩書は「世界女王」！そんな大物が何げなくＣＭ出演していたとは…。（大橋直久）

ドキドキＣＭに問い合わせ殺到

女性モデルの名はビルジニー・デデュー。２５歳のフランス人だ。そして種目はシンクロナイズドスイミング。2003年の世界選手権（バルセロナ）でソロの金メダリストと言えば、あの引き締まった逆三角形のスタイルも納得いく。（アカデミー賞）

そんな選手がなぜ日本のテレビのＣＭに？起用した日本コカ・コーラは「商品のブランドイメージや、ＣＭストーリーがまずあった。それに合うスタイルのいい女性を探していたところ、彼女に出会いました」と話す。つまり金メダリストとしてではなく、コカ・コーラのイメージを１００％具現化するタレントとしての起用だ。（日本アカデミー賞）

４月２４日からの放映と同時に「あの白ビキニの女性は誰？」の問い合わせが殺到。ＣＭで名前や肩書を一切明かさなかったことも輪をかけた。といっても意図的に素性を隠していたわけではなく、プレスリリースでは正式な経歴を公表。テレビ局にはメーキングビデオを持ち込んで、一部の局はしっかり紹介している。それでも「何者？」という反響は大きかった。

カール・ルイス

海外の五輪選手とＣＭ。かつては陸上のカール・ルイス（米国）ベン・ジョンソン（カナダ）らビッグネームの映像がお茶の間にあふれる時代があった。しかしアテネ五輪は意外なことにスター不在。日本人が誰でも知っている有名選手といえば水泳のイアン・ソープ（豪州）くらいになっている。そんな状況からしても、デデューの出演は異色だ。（大畑亮介）

写真集も発売

1997年に福岡で行われた世界選手権で来日経験があり、国内には彼女の固定ファンが多い。2003年７月の世界選手権直前には、集英社インターナショナルが写真集「Ｖｉｒｇｉｎ」を発売。白ビキニでベッドに横たわるなどセクシーなカットもあるが、同社によると「読者カードの半分は女性なんですよ」。ファンの心境としては宝塚的なものがあるらしい。（小松拓矢）

今回と同じケースで話題を呼んだのが、フィギュアスケートのエレーナ・リアシェンコ（ウクライナ）。1998年長野五輪前に日本ＩＢＭのＣＭに起用され大ブレーク。順位は９位だったが「長野五輪ナンバー１美人選手」の称号を得た。デデューの場合もこれで人気大爆発？「あえてセレブを起用しなかったので、これからデデューさんの話題が広がるのなら、うれしいですね」と言う。

当のデデューはフランス国内でもパナソニックのＣＭにモデルとして出演しており、注目度はじわじわっと上昇中。「ＣＭ撮影は別の私を表現する挑戦の場。とても楽しかったわ」のコメントをスポニチに寄せてくれた。コカ・コーラのＣＭは残念ながら近日中に終了してしまうが、あの鮮烈な白ビキニの印象はしばらく消えそうにない。アテネ五輪の楽しみがもう１つ増えた感じだ。（SEO）

田中ウルヴェ京さんが明かす素顔

色兼備　建築学専攻、趣味は絵画

一気に注目を浴びたデデューって、どんな人なんだろう。彼女と個人的に親しい田中ウルヴェ京さん＝1988年ソウル五輪デュエット銅メダリスト＝に素顔を聞いてみた。

人見知りで、とてもシャイ。私と会うといつも上目遣いで恥ずかしそうに「ハイ、ミヤコ…」とほほ笑む顔が印象的なんです。その一方で、食事の時などはいかにもフランス人。マニアックなシンクロの話を情熱的に延々と続けるのです。そして現役としては珍しく「シンクロ以外の自分」を持っている選手。建築学を専攻し、設計図とか建築プランニングなどの話をさせると止まりません。絵画の趣味もある。まさに多才ですね。「自己表現」という意味ではシンクロも設計も絵画も一緒なのでは？「○○系」に当てはめるなら「知的でシャイで静かな情熱系」かな。

通常はシャイな彼女も、いったん水に入ると一変。シンクロの実力を表現すると「カリスマ性のすごいソロのスター」といったところですか。彼女のソロは誰もが認める技術的にも芸術的にも世界一。ただし五輪種目であるデュエットとなると、パートナーのティボー次第で成績が変わってしまう。現時点で技術的には日本やロシアには劣りますが、８月の五輪本番までにティボーがデデューとどこまで同調させてくるかが気になるところです。

日本には厳しい制約

日本の五輪選手をＣＭに起用するには、日本オリンピック委員会（ＪＯＣ）の認可が原則として必要だ。希望する企業はまず４年間２億円のオフィシャルパートナーをＪＯＣとの間で結び、なおかつ新規撮影の場合は５００万円、資料映像を使用する場合は２５０万円（いずれも主要国際大会のメダリスト）を、当該競技団体を通じて選手に支払う必要がある。現在放送されているＣＭでは松下電器の井上康生（柔道）塚原直也（体操）トヨタ自動車の山本貴司（水泳）らが代表的。谷亮子（柔道）北島康介（水泳）らは特別認定選手のため比較的自由なＣＭ出演が可能だ。しかしＪＯＣオフィシャルパートナーと競合する企業には出演できないなど、制約がある。（東海設備）

ビルジニー・デデュー

フランス代表２５歳

（Ｖｉｒｇｉｎｉｅ　Ｄｅｄｉｅｕ）１９７９年２月２５日、フランス・プロバンス生まれ。シンクロは６歳から始め、１３歳でフランスのジュニア代表に。１５歳でジュニア欧州選手権（チーム）銅メダル、１６歳でジュニア世界選手権（ソロ）銀メダル。１７歳で出場した1996年アトランタ五輪（チーム）では５位に入った。2000年シドニー五輪ではデュエット銅メダル。パリの「レコル・ブルー」で建築学を学ぶ。未婚だが同居中の男性がいる。１メートル６４。（小松拓矢）