ウォーキングは足で歩くことなのだけれど、ウォーキングの歩き方というのは、上半身のみぞおちとお尻に力を入れ、そこを固定しながら歩いていく。
つまり、両足で体の重心(みぞおちのあたり)のバランスをとりながら、体を運んでいく足さばきといえよう。
全身のバランスをつかみながら、きれいに歩く、というのがウォーキングの最大の目的である。
だから、足元の形ばかりに気をとられていると、ウォーキングを何回繰り返し練習をしても、なかなか上達できない、という結果になってしまうのだ。
まず、一歩一歩、足で床を踏みしめて歩く、というやり方は絶対にしないでほしい。
なぜならば、ていねいに歩くクセをつけてしまうと、体が足についていけなくなり、足ばかりが先に進み、体が後ろに残ってしまう歩き方になってしまうからだ。
また、体が後ろに残る歩き方をする人は、必ずかかとから足を踏み下ろしているはずだろうし、ひざを曲げて歩いているはず。
そういうクセがあるかどうかは、実際に歩いてみて、足の音を聞いてみるとよくわかる。
足を踏み下ろすときに「カツン」とかかとで、続いて「コツン」と爪先で音をたてている。
爪先とかかとを同時に下ろしている人は、足の裏全体で踏み下ろすような動きになるため、一回の音で足が床に着く。この場合は修正する必要がある。
ウォーキングをはじめる前に必ずやってほしいのが、ウォーミングアップだ。
ウォーキングをしているときにはいつでもこのことを意識してほしい。
立ちポーズのまま、両手を上にあげてバンザイをする。
そして、息を吸って、適度に息を吸ったところで息を止める。
このときに腹筋と背筋がひっぱり合って伸びていて、上半身に体の重心が移動し、ウォーキングにふさわしい体のバランス状態になっているのだ。
息を止めているときに、みぞおち(胃のあたり)とその後ろの背中を同時にさわると、その部分が固くなっているのがわかる。
慣れてくるとちょうどみぞおちのあたりに、丸く固い円があるような感じがわかってくる。
この感覚がつかめれば、しめたもの。
その丸く固い部分をつねに意識しながらウォーキングをしているのがプロモデルとよばれる人たちだ。
感覚をつかむために手を下げて、手を胃のあたりと背中に当てながら息を吸い、止めて、という訓練を繰り返してもよい。
お腹がふくらんだり、へこんだりするのがわかる。
これが腹式呼吸である。
みぞおちのあたりの感覚がわかってくるようになると、自然に体が引き締まる感じがする。
お腹も出ず、お尻もきゅっと引き締まり、背骨もピンとのびている姿勢になっているのだ。