売場に並べられたり、一人ひとりの消費者が身につけている服は、一人のデザイナーだけの手で作られているのではなく、企画スタッフ、技術スタッフ、製造スタッフ、営業スタッフなどさまざまな職種の人が関わり、多くのプロセスによってできあがっている。
ファッションビジネスとしての服作りは、いろいろな人たちの協力なくしてはできない。
DCブランドのメーカーであれ一般メーカーであれ、アパレルメーカーの形態は異なっても、ファッションビジネスでは、企画の立案から販売までの仕事の流れは大体同じである。
その流れをたどってみよう。
(1)情報の収集
次のシーズンの商品の企画にはいる時、最初に取りかかる仕事が情報の収集である。
ここでは、感度のよい情報を一つでも多く収集することが重要である。
市場での売れ筋の傾向、テレビ・新聞・雑誌などによる社会の動向、音楽会・展覧会・観劇などの催しものの傾向。
このように、素材展や国内外からの情報誌、ファッションの雑誌などだけでなく、生活や社会のあらゆるものより情報を収集する。
(2)情報の分析
収集した情報をブランドのイメージに合わせ、分析し、整理する。
(3)テーマ・色・素材・シルエット(形)の決定(デザインコンセプト作り)
情報収集と分析の結果、次のシーズンにデザイナーがもっとも提案したいもののイメージコンセプトを作る。
六カ月から一年前にはプレゼンテーション用マップも作り、社内外の人に見せる。