仏前結婚式では、新郎・新婦は中央の卓前に導かれ、仏壇に向かって起立します。
参列者一同もこれに合わせて起立します。
いままで奏でられていた前奏がやみ、かわって雅楽が奏でられます。
このとき、式をつかさどる司婚者の入場です。
新郎・新婦、参列者一同、司婚者に合わせて合掌します。
雅楽がやみますと、司婚者は敬白文の朗読をします。
敬白文というのは仏さまにたいする報告のようなもので、仏さまと、両親の祖先にこれから結婚式が行なわれるようになった旨を報告するわけです。
■念珠の授与
念珠の授与は、神前結婚でいえぽ三三九度の儀式にあたるもので、まことに重要です。
雅楽が再び奏でられ、新郎・新婦はしずかに仏前に進み出ます。
すると、司婚の僧は、新郎には白のリボンのついた念珠を、新婦には赤又は紫のリボンのついた念珠を授与します。
念珠の持ち方は、左手の四指にかけてふさを下にたらし、親指で軽く上から押えて、両方の手のひらを合わせるのです。
■司婚の辞と新郎・新婦の誓詞
司婚者は壮厳な雰囲気のうちに、新郎・新婦に対し、仏前にての誓いのことばを求め、仏による婚儀の承認を告げます。
これが司婚の辞です。
新郎・新婦はこの間、じっと頭をたれ、誓いの念をあらたにします。
司婚の辞のあとは、新郎・新婦の誓詞です。
これは、神前結婚式の場合と同様、文案が用意され、あらかじめ署名しておくわけですから、指示どおりに新郎の朗読でよいわけです。