■伝統を重んじる結婚式
古式の結婚式は、ふつう家庭の中でおこなわれます。
最近は家庭での結婚式は都会ではほとんど見られなくなりましたが、地方の旧家などでは古式にのっとり、伝統を重んじた結婚式があげられているのです。
この場合は、新郎宅か媒灼人宅を選ぶのが一般的です。
進行係には、よほど事情のわかった、場なれした人になってもらいましょう。
さもないと式がスムーズに運びません。
現在、もっとも一般的に行なわれている次第に従って説明していきます。
昔からの細かい作法やその地方の特別のしきたりなどについては、媒灼人の方々にお聞きして、よく心得ておいてください。
■式場の準備
さて、準備として、まず家の内外をきちんと清掃しましょう。
玄関には、根引松に菊(蘭)をあしらった盛花を用意します。
床の間の掛軸は、鶴亀か、翁の福ならなによりですが、日の出や蓬莱山や松竹梅といったものでもよいでしょう。
生花は、相生の松が本式ですが、今では色の変わらない常緑木ならなんでも用いられています。
これに、実のついている山千両とか、万両のようなものをあしらいます。
これも手に入らなければ、菊でもよいでしょう。
床の中央には、盃台と銚子を置きます。