花嫁が到着し、化粧を終え、参列者がそろったところで、世話人の指示で一同着席します。
両親はじめ、参列者が着席しおわるのを待って、新郎と新婦が、媒灼人夫妻に導かれて、式場に入り、定めの席につきます。
着席が終ったら、媒灼人夫人の合図で新婦が礼をして、新郎がそれに返礼をします。
すると次の間に控えていた酌人が出てきて、床の間より婁斗三方(小梅、するめ、昆布をのせた三方)をささげて、一度末座にさがってから左にまわって向きをかえ、新郎・新婦の中央に輿斗三方を置いてからさがって着席し、一同がここで礼をします。
酌人は、こののち退場し、次の間で控えます。
なお、酌人には、十才ぐらいの男女二人がなり、女子を本酌、男子を加え酌といいます。
また一人でもかまいません。
三々九度の杯は、地方や家によっていろいろな方式がありますが、一般には、一の小杯を新郎から始めて新婦へ、そして新郎が飲み、二の中杯は、新婦→新郎→新婦の順に、三の大杯は、再び新郎→新婦→新郎の順序で行なわれています。
つまり、新郎が五献、新婦が四献の合計九献ということになります。
近年では、このようなわずらわしい様式を簡略A化して、つぎのように行なう例も多くなっています。
小杯は新郎から、新婦、新婦がおさめる。
中杯は新婦から新郎、新郎がおさめる。
大杯は新郎から新婦、新婦がおさめる。
なお酌人は、いずれの場合でも、ごく少量ずつ三回につぐか、三回つぐまねをして最後の一回でつぐのが作法です。